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主な取扱い事件detail

相続・遺言成年後見


相続


相続は、有効な遺言が残されていた場合は、あまり問題となりませんが、遺言が無かったり、遺言があっても法的に無効なものであった場合には、残念ながら、故人の意図に反して、これまで仲の良かった親族が遺産を巡って骨肉の争いへ発展してしまうというケースも少なくありません。

相続問題が発生した場合、相続人と相続財産の範囲を確定させた上で、相続人全員による任意の話し合いで、遺産分割協議がまとまれば良いのですが、この話し合いがまとまらなければ、遺産分割調停、更に、遺産分割審判へと移行する可能性があります。

相続の専門家である弁護士が、早い段階から関与することで、スムーズな相続問題の解決が実現します。



           <相続とは何か>


相続とは、亡くなった人の財産上の地位(遺産)を家族などの相続人が受け継ぐことをいいます。亡くなった人のことを「被相続人」といい、財産を受け継ぐ人のことを「相続人」といいます。そして、被相続人から相続人へと受け継がれる財産(遺産)のことを「相続財産」といいます。
相続は、被相続人の死亡によって開始します。また、相続は、被相続人の住所において開始します。被相続人の住所とは、被相続人が亡くなった時の住所をいいます。これは、相続に関して訴訟が起こったり、家事審判を必要とする場合などのため、裁判管轄を定めておかねばならないことから、民法でこのように定められています。



            <相続の手続>

相続手続の流れは、おおよそ以下のとおりとなります。なお、以下の手続の中には期間制限が設けられているものもあります。思ったよりも時間がないことに注意が必要です。

@死亡の確認
 通夜、葬儀

A死亡届の提出(7日以内)
 死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村の戸籍係に提出します。日曜日、祝日、夜間に関係なく受け付 けてもらえます。
 死亡届用紙は、通常、死亡診断書または死体検案書用紙と一体になっていますので、医師が作成した死亡診断書を受け 取り、左側部分にある死亡届に届出人が必要事項を記入します。

・遺言書の有無の確認(家庭裁判所で開封・検認手続)、遺言執行者の選任
・法定相続人の確定(戸籍謄本等の取寄せ・相続人関係図の作成)
・相続財産の把握(借金の有無に注意・遺産目録の作成)

B遺産を引き継ぐかどうかの決定(相続放棄・限定承認等の手続)
 相続の開始があったことを知った時から3か月以内にこれらの手続を取る必要があります。ただし、3か月以内にこれ らの手続をとることができない場合には、家庭裁判所に期間伸長の請求をすることができます。

C被相続人の所得税の申告(準確定申告 4か月以内)
 被相続人が死亡した場合、その被相続人は確定申告ができませんので、相続人が代わって確定申告をしなければなりま せん。これを「準確定申告」といいます。

・遺産分割協議(相続人全員で協議が調ったら、遺産分割協議書を作成)
・遺産分割協議不成立の場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申立て
・遺産の現実の分配、不動産等の名義変更

D相続税の申告・納付(10か月以内)



         <法定相続人となるのは誰か>
1 配偶者
 被相続人の配偶者は、常に相続人となります。他に相続人が一人もいないときは配偶者が単独で相続しますが、他に  も相続人がいれば、共同相続することになります。
 ここにいう配偶者とは、婚姻届を出している場合に限ります。内縁の配偶者やすでに離婚している場合は相続人には  なれません。

2 配偶者以外の相続人
 配偶者以外の相続人には、相続順位があり、第2順位・第3順位の人は、上位の人がいない場合に限って相続人にな  ることができます。

  第1順位 子  
  実子が含まれるのは当然ですが、養子や胎児も「子」に含まれます。
  相続開始時(被相続人が亡くなった時)に、子がすでに亡くなっていたときは、子の子(孫)が相続します(これを  「代襲相続」といいます。)。
  配偶者がいない場合は、子だけが相続人になります。子が第1順位なのですから、子が一人でもいる場合には、被相  続人の親や兄弟姉妹は相続人になれません。

  第2順位 直系尊属(父母・祖父母など)
  第1順位の相続人(子)がいない場合に相続人になります。実父母が含まれるのは当然ですが、養父母も相続人に含  まれます。
  まず、被相続人との親等の一番近い父母が相続人になり、父母がいないときは祖父母、祖父母がいないときは曾祖父  母…とさかのぼることになります。
  配偶者も子もいない場合は、直系尊属だけが相続人になります。

  第3順位 兄弟姉妹
  第1順位(子)・第2順位(直系尊属)の相続人がいない場合に相続人になります。
  相続開始時に、兄弟姉妹がなくなっていたときは、その兄弟姉妹の子が代襲相続します。ただし、子の代襲相続とは  異なり、兄弟姉妹の子(すなわち、被相続人の甥・姪)までに限られます。

3 養子について補足 
 
養子は実子と同様に扱われます。これに対して、実子と同様に育ててきた子であっても、実子でなければ、養子縁組  をしていない限り相続人にはなりません。すなわち、そのような子に相続させるためには、養子縁組をするか、ある  いは、その子に承継させるという内容の遺言を遺しておく必要があります。
 また、養子に出したからといって、実父母との親子関係がなくなるわけではありませんので、養子は、実父母と養父  母の両方から相続できることになります。

4 胎児について補足

 相続開始時に母親の胎内にいる胎児も相続権があります。ただし、死産であった場合は相続人になりません。

5 婚姻外の子について
 愛人の子など、婚姻関係にない男女間の子(非嫡出子)であっても、父親が認知しているのであれば、相続人になり  ます。ただし、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1とされています。


  
          <法定相続人の調査方法>

相続が開始すると、法定相続人が具体的に誰であるのかを確認・確定する必要があります。
通常は、法定相続人が誰であるかについて、親族間では自明のことだと思われるかもしれませんが、被相続人に隠し子がいて認知していたとか、かなり以前に養子に行った兄弟姉妹がいた、などということも現実にありえないわけではありません。
また、法定相続人を確定せずに遺産分割協議を進めていったが途中で他にも法定相続人が現れた場合には、遺産分割協議を最初からやり直さなければなりません。
そこで、戸籍謄本を取り寄せて、法定相続人が誰なのかをきちんと確認・確定する必要があるわけです。
具体的には、被相続人(故人)が、「生まれてから亡くなるまでの間のすべての戸籍謄本等(除籍謄本・改製原戸籍謄本)」を市区町村役場で取得します。すなわち、被相続人の本籍地を管轄する市区町村役場において、被相続人の相続開始時の「戸(除)籍謄本」を取得し、その後、順次その前の「戸(除)籍謄本」や「改製原戸籍謄本」を取得していくことになります。
被相続人の戸籍を取得したら、子の数や名前、認知した子、養子の有無等を調べ、子がいない場合には、父母(祖父母)の戸籍を調べていかなければなりません。
実際には、この戸籍の調査は想像以上に大変で、時間もかかりますので、困難を感じる場合には、専門家である弁護士に相談されることをお勧めいたします。弁護士は、受任している事件または事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸(除)籍謄本の交付を請求することができることになっております。



     <相続人になれない人(相続欠格・相続人の廃除)>

「法定相続人」であれば、どんな場合であっても相続できるというわけではありません。法定相続人が相続できなくなるケースとして、大きく分けて2つあります。それは、法律によって相続権をはく奪される「相続欠格」と、被相続人の意思によって相続人の地位を奪う「相続人の廃除」です。



             <相続欠格>

法定相続人が、相続に関して不正な利益を得ようとして不正な行為をし、またはしようとした場合に、そのような法定相続人は、相続人の資格を失います(「相続人となることができない」(民法891条))。
欠格者は、同時に受遺者としての資格も失うので、遺贈を受けることもできません(民法965条)。
ただし、相続欠格は、代襲相続の原因にあたるので、欠格者の直系卑属(兄弟姉妹の場合は、その子)は代襲相続することができます。

民法が規定する相続欠格の原因(民法891条1号〜5号)
@被相続人または自分より先順位もしくは同順位の相続人を故意に死亡するに至らせ、または死亡するに至らせようとしたために、刑に処せられた者
A被相続人が殺害されたことを知りながら告訴告発しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、または殺害者が自分の配偶者もしくは直系血族であったときは除く。
B詐欺または強迫によって、被相続人が遺言をしたり、遺言の撤回・取消し・変更をしたりするのを妨げた者。
C詐欺または強迫によって、被相続人に遺言をさせ、撤回・取消しまたは変更をさせた者。
D被相続人の遺言書を偽装・変造・破棄または隠した者。



                   <相続人の廃除>

一定の理由があれば、一定の手続を経て被相続人が一方的に子から相続人の地位を奪うことができます。
例えば、次のようなケースを考えてみましょう。高校2年生の次男Aは、高校にも行かなくなり、パチンコや競馬ばかりしており、家から財産を勝手に持ち出したり、親であるあなたに頻繁に暴力を振るったりしているので、あなたは、そのようなAには遺産を相続させたくないとします。
ここで、Aに遺産を相続させない方法としては、@全財産を生前に他の相続人に贈与しておく方法、A他の相続人に全財産を相続させる旨の遺言を作成しておく方法が考えられます。
しかし、Aが遺留分減殺請求をしますと、生前贈与、相続分の指定、遺贈などは一定の範囲で効力が否定されるので、Aは遺留分相当の財産を取得することができますから、Aには絶対に財産をやりたくないという場合には、上記の@Aの方法では不十分ということになります。
これに対して、「相続人の廃除」は相続人の地位を絶対的に奪う制度ですから、Aはあなたの相続財産を取得することはできません。

民法が規定する廃除ができる場合(民法892条)
@被相続人に対して虐待をしたり、重大な侮辱を加えたりしたとき
Aその他の著しい非行があったとき

廃除の手続
廃除は、上で述べたとおり、相続人の地位を一方的に奪うという重大な効果を伴いますので、被相続人が勝手に決めることはできません。家庭裁判所に相続人廃除の調停または審判を申し立てることになります。
家庭裁判所は、親子間の事情を十分調査した上で、相続人の地位をを奪うのが適当であると判断した場合、廃除を認めることになります。虐待や侮辱があったとしても、それだけで直ちに廃除が認められるわけではありません。
なお、子を廃除するという内容の遺言をしておくこともできますが、直ちに効力が生じるわけではなく、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の審判を申し立て、家庭裁判所に認めてもらう必要があります。




遺言


大切なご家族のために、このような深刻な相続問題が発生しないよう、また、相続人全員の合意が必要な遺産分割協議という、残された親族へのご負担をなくすためにも、ご健在なうちに、相続人間の実質的平等を考慮しご自分の想いを反映させ、なおかつ法的に効力のある遺言書を作成しておかれることが重要です。

遺言の普通方式には、以下3種類があります。

@自筆証書遺言(遺言者本人が遺言の内容の全文、日付、氏名を全て自分で記載し署名の下、捺印する方法。家庭裁判所での検認が必要)

A公正証書遺言(公証人の面前で遺言者が遺言の内容を説明し、その内容で公証人が遺言書を作成する方式。作成には証人2人の立会いが必要。家庭裁判所での検認は不要)

B秘密証書遺言(遺言内容を誰にも知られたくない場合に使われますが、実務上ほとんど使われることが無いため、説明は割愛します。)

せっかく作った遺言書が法的に無効であったというような残念な結果にならないよう、遺言書作成段階から、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めいたします。




成年後見


高齢化社会になり、「もし将来、自分が認知症のような状態になったらどうしよう」というご不安を抱えておられる方は多いと思われます。実際、自らの財産を思うように十分管理できなくなった結果、悪質業者や一部の心無い親族などに、これまで努力して蓄えてきた大事な財産を勝手に処分されてしまうといったトラブルが増えてきています。

そのような無念な事態を回避するためには、本人の判断能力が不十分になってしまい財産管理が必要となった時点で、公正中立な第三者が、本人の利益や気持ちを最大限尊重して財産を厳格に管理し始めることが必要です。
法はそのために、「法定後見」や「任意後見契約」などの対処法を用意していますが、これらは一般にあまり知られていないのが実状です。

「法定後見」は実際に本人の判断能力が不十分となってしまった後、関係者からの申立てにより、家庭裁判所が本人の判断能力に応じて、成年後見人、保佐人、補助人を選任する制度です。この場合、当然ながら誰が自分の大切な財産を将来管理する人物となるのかは、まだ分からないということになります。

「任意後見契約」とは、本人が将来、痴呆症のように、判断能力が不十分になった場合に備えてあらかじめ公正証書によって任意後見契約を結んで信頼できる親族や弁護士を任意後見人として選んでおき、その後実際に本人の判断能力が不十分となった時に、任意後見人が本人の意思を尊重し本人の財産を管理する制度です。